ディスプレイを眺める毎日。ニュースは眺めるようにしているけど、昨日のことも覚えていない。氷の上を滑っているみたいに、すぐに溶ける角砂糖を舐めているように。
mokumokuの紹介カードを孔版印刷でつくった。小さな無数の穴からインクが紙に着地している。手でこすると、うっすらと色がうつる。図画工作のときの版画を思い出す。時代に逆らっているように思えるけど、これは反動でもあると気づいている。
電子的にどこへでも行けるから、手の中には気に入ったものを置いておきたい。ノスタルジーという言葉は色あせているものと生身の感情をくっつける。見ることのない引き出しの奥が、明日なにをするかの判断材料になる。
何でも計算できる世界で、本当は計算できないものが役に立つ。
ちから