
小さい頃どうしても欲しくて
でもとても人気があったのだろう
どの玩具屋さんでも売り切れだった
だってどんな自分にでもなれる
コンパクトの中央に人差し指と中指をあてて
テクマクマヤコンテクマクマヤコン
なりたい自分に変身できる
私が強く欲しがるものだから
母も必死で探してくれた
ある日おじいちゃんといつものように
自転車を走らせて近所の古びた駄菓子屋に行ったらば
あるではないか
テクマクマヤコンコンパクト
おじいちゃん 駄菓子と比べたら突発の出費だったろうに
ありがとう 夢が叶ったよ
いつだったかな 変身できないと知ったのは
でも 私の脳内では
毎日テクマクマヤコンコンパクトを使って
実際変身していたんだよ