大好きで仕方なくて、無くなってしまった時にあまりのショックに事実を処理しきれず、その場に立ちすくんでしまった経験が、みなさんはあるだろうか。
私はある。
広島金座街にあったパフェのツチイ。パフェ専門店で、考えつくことのできるありとあらゆるパフェを楽しむことができた。チーズケーキがどんと乗っているもの。フルーツで埋め尽くされたもの。モンブラン。チョコレート。グラタンなど食事系も置いてあった。そこはまさに夢の国で、店頭のサンプルを見ているとわくわくして目移りする。
アンデルセンの、なんだろ、あれ。アップルパイに甘いそぼろみたいなのがふりかけてあって、もはや手で取り出すことはできず、入れてもらった容器からフォークで食べる。サクトロのりんごと、妙に食べづらいそぼろの組み合わせが最高だった。
本通りの裏通りにあった洋品店、B.B. chan。店長の女性の独特の空気感が扱っている服や小物に映り込んで、東京のどんなところを探してもあの世界観を作り出せる店はそうないはずだ。探しても見つからない、そんな商品が置いてあった。
おばあちゃんちの近くのパロット。小学校から帰宅後、おじいちゃんおばあちゃんと時間を過ごしていた私は、ここに置いてあるフライドポテトなんて、大人への階段だった。メロンソーダも。当時興味なんてなかったコーヒーも。
代わりなんてできない。愛おしいよ。