握手

インタビューした本人の褒め言葉が一番嬉しい。
作っているとき、心の中でその人と対話を繰り返しぼくなりの答えをマンガにする。
 
だから、いいね、と言われた時はなんだか報われた気持ちになる。頭の中で、クイズに正解した時のような音、とまではいかないけど、感触がする。それを完成させるまで多分、本人に言ったら驚くほど、その人のことについて根掘り葉掘り想いを巡らせている。結構な時間をかけて。その人との付き合いの中でもそんなに考えたことはないよ、てくらいに。
 
もっと多くの人に見てもらいたいという願望は、もちろんある。それについてはなかなか上手くいってない。
こればかりは工夫しながら粘り強く続けていくことが、唯一の道だと考えている。
 
でも、嬉しいな、本人に褒められると。
立場が逆なはずなのに。ぼくが自分の気持ちを打ち明けて、それの返事を聞いてるみたい。手を差し出して、握手を返してくれてるみたい。僕にとってこの表現は、挨拶と同じだな。
 
社会にとって、なんの役には立たないかもしれない。だからやる意味を感じている。

ちから

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