見ているつもりでも、本当は見えてないこと。

いつも見慣れているはずの自分の部屋も、思い出してみると細部が曖昧だったりする。

昼に食べたご飯の添え物の色も、記憶の中と実際の色は違うかもしれない。

確かだと思っても解釈するのは脳のメカニズムだから、あちこちに誤りが散りばめられている。
誤りというのが言い過ぎなら、イメージを補完するための部品と言ってもいい。そのおかげでリアリティが生まれる。

映画のシーンを模写する。何回も観た映画でも、描くと今まで意識しなかった照明効果や場面の意図とか、それまで気づかなかった作り手の細工に気づく。面白い映画には理由がある。

目の前にあるものも、頭の中にあるものも、描くことで確かめたい。

ちから