こんなに飽きっぽい私が続けている唯一の事

絵日記#こんコロ4月27日「こんなに飽きっぽい私が続けている唯一の事」
絵日記#こんコロ4月27日

朝食には納豆と目玉焼きとご飯を食べる。必ず食べる。
いや、1年に1、2度ほどスキップするかもしれない。体調が悪かったり、前日にあまりにもヘビーな物を食べすぎて膨満感にあふれている場合。海外にいる場合。

それ以外は毎日納豆と目玉焼きとご飯を食べる。海外に行って何より恋しくなる日本食が納豆、目玉焼き、ご飯である。これはもう儀式であり、作法がある。
まず目玉焼きを作る。フライパンに多めにオリーブオイルを入れ、低温のうちに卵を割り入れる。そして周りの白身が程よくカリカリになり、黄身が透明のフィルムで覆われるまで調理する。黄身は1番底の部分を除き、煮えてはならない。何かに囚われて硬くなりすぎてしまった場合、その日の不幸の前兆を意味するので決して焼きすぎてはならない。

ご飯は玄米やもち麦などを好む。
納豆をまぜ、ご飯の上にかける。目玉焼きを食べる際は周りの白身から攻める。そして黄身を破らないように細心の注意を払いながらできるだけ白身の部分を食す。これも液体の黄身が流れ出してしまっては、その日の不幸の前兆を意味する。綺麗な円を描く黄身の部分を、また細心の注意を払いながら納豆ご飯の上に着地させる。そして黄身と納豆、そしてほかほかご飯というこの上ないハーモニーを楽しむ。毎日楽しむ。

栄養価もお墨付き。身体的にも、精神的にも整う朝食である。これがあれば大体私は幸せである。

白い吊り革か 銀色の棒か

絵日記#こんコロ 2021年4月26日
絵日記#こんコロ 2021年4月26日

電車の中のアナウンス。「急病のお客様を救護した関係で四谷駅には4分の遅れで到着です。お急ぎの中ご迷惑をお掛けし大変申し訳ありません。」青ざめた顔で倒れ込む人を想像する。隣の人がため息をつく。どうせ。

いや、ため息なんて聞こえなかったのかも。自分の中でそんなシーンを作りあげただけかも。どうせ。

交差点で人が行き交う。先週より人の数が増えている。減っている。それぞれのやらなければならないことをこなすため、急ぐ。歩く。どうせ。線路脇に植えられた緑を見る。この木は何を考える。いそいそと秒分を争い駅に急ぐ鉄の塊を横目に。何を思っているのだろう。

もうすぐ四谷に着く。四谷の次はお茶の水に止まる。

2021の#こんコロ

2021年4月25日から5月11日まで、「こんなコロナのご時世ですが2 #こんコロ2」を連載します。

2020年春、緊急事態宣言発令を受け、mokumoku studioはこの未曾有な時間をアーティストとして記録に残すため「こんなコロナのご時世ですが #こんコロ(連載マンガ#こんコロ千秋楽)」を連載しました。
そして約1年後の2021年4月25日から3度目の緊急事態宣言が発令されました。同じ危機的な状況でも1年前とは確実に違う。環境も私たちも。

掛田智子という1人の人間が、何を思い何を感じているのか。
私というフィルターを通して見る世界は、あなたが見る世界とは違うだろうか。
コロナであってもコロナでなくても、身体は疲労し心はすり減るのだろうか。
日記的に心の情景を文章で表現し、ちからがそこからインスピレーションを受け絵で表現します。絵日記のように、2回目の春をドキュメントします。

Tomoko from mokumoku studio