もうやり尽くした感がある

緑、グレー、オレンジ、ピンク、赤、紫、水色もやったっけ。

10代の後半から染め続けた髪は、ありとあらゆる色で彩られ続けた。アメリカに住んでいた頃は、インコみたいなオレンジにした。これは目立った。しかしこの上なく似合っていた。しばらくして色が落ち始めると、アフリカにしか生息しない花の色のようだった。

人は私を見た。クレイジーな人だと見た。
落ち着きのない、「ちょっと飛んでる」人だと思った。まあ、見てちょうだいあの娘の髪を。

しかし近年、若い人達の間で明るい色に染めることが流行しているらしく、ピンクや水色に彩られた髪型をしている人を見ることが珍しくなくなった。

ここ数年黒髪を伸ばしていた私だが、少し気分を変えようとハイライトを入れ、青っぽい色をかぶせた。

人は言う。「お、流行りの髪型だね」
私は言う。真顔で言う。「やっと時代が私に追いついたのよ。」