エド、トウキョウ、シカゴ

約一ヶ月前、mokumoku studioはすてきな連鎖反応を目の当たりにしました。

東京都美術館の”Ukiyo-E2020”に行って浮世絵に感動したことはこのブログにも書いたのだけど、そのお話には続きがあったのです。そしてシカゴの友人からある荷物が届いて幕を閉じることに。

シカゴ在住のアーティストである友人Andyが、ちからと私の作品をリソグラフプリントして送ってくれました。リソグラフは理想科学工業さんの孔版印刷機の名前で、シルクスクリーンやプリントごっこのデジタル版みたいな印刷技術なのですが、今や世界中のアーティストの注目を集めています。

話は5年ほど前にさかのぼりますが、ちからくんと私はテネシー州のナシュビルに三ヶ月ほど滞在したことがありました。友人が自分の両親の家でアーティストレジデンス的なことをしたら?とオファーしてくれ、彼女の両親の家にホームステイしながらアート作品を作りました。その間にたくさんのアーティストに出会ったのですが、その中の1人にナシュビル出身でシカゴ在住のAndyがいました。

ちからくんにとってアメリカに行ったのはその時が初めてだったのですが、ずっと何だか懐かしい、どこかでいつか見た事のあるような風景だー、不思議だー、と言っていました。多分、子供の頃からずっとアメリカの映画をたくさん見てきて、アメリカ文化に親しんできたので潜在的にもいろんな風景が彼の頭の中に埋め込まれていたのだと思います。

Andyも数年前に日本にきた時に同じような感覚を抱いていました。なんか懐かしい。見たことある風景だと。それも彼が子供の時からずっと日本のマンガやゲームが大好きで、それから日本文化を学び憧れ続けてたようです。

アメリカ在住で日本文化に深く影響を受けているアーティストであるAndyが、アメリカ文化と 日本の伝統芸術に無意識的にも影響を受けているちからくんと私の作品を、日本で開発された、しかも浮世絵に影響を受けているだろう技術を使って、再構成してくれたのは、何だか、すごいつながりだ。なんたるシンクロだ。とんでもない異文化と時代差の融合だ。と感動していたのです。

mokumoku studioでは今もリソグラフで印刷しようとしている作品を作っています。これからどんな展開になって、次はどんなつながりを生むのか楽しみ!!