2020年春、緊急事態宣言発令を受け、mokumoku studioはこの未曾有な時間をアーティストとして記録に残すため「こんなコロナのご時世ですが #こんコロ(連載マンガ#こんコロ千秋楽)」を連載しました。
そして約1年後の2021年4月25日から3度目の緊急事態宣言が発令されました。
同じ危機的な状況でも1年前とは確実に違う。環境も私たちも。
掛田智子という1人の人間が、何を思い何を感じているのか。
私というフィルターを通して見る世界は、あなたが見る世界とは違うだろうか。
コロナであってもコロナでなくても、身体は疲労し心はすり減るのだろうか。
日記的に心の情景を文章で表現し、絵描のちからがそこからインスピレーションを受け絵で表現します。
絵日記のように、2回目の春をドキュメントします。
- おかえりおかえり 広い空がみたい 手と足をのばして なんの不安もいらない 両面テープをかしてくださいませんか 今日の足あとを 空にはりつけるから
- ジーGの夢を見る もちろん初めてではない 雑誌など丸めて臨界体制であれど 最後の一打が打てない なぜ なぜ殺せない そのうちにGは 4倍ぐらいに拡大して 赤い光も放つGとなる 恐怖のあまり声をあげる その声で目覚める
- 来月の自分さえ最近過ぎるお酒と自分をなだめる真夜中 暗示をかけるように大丈夫 明日は大丈夫 続いた緊急事態宣言とこの連載もあと数日 緊急事態であった自分たちの様を伝えたかった 数年後に振り返ることが楽しみだ そもそも 来月の自分さえ想 […]
- ロース肉でしたのであっさりとこんばんはなにたべたいぜったいとんじる 今夜は豚汁 何食べたいか明確に分かる日たまにある今夜豚汁 そして具沢山であること 野菜室の残り物でいいのだ心と体整う今夜は豚汁
- わたしやってやるわ他人の常識とひとつ屋根の下 2人暮らし 10年も経てば慣れる当たり前が増える すいもあまいもころしたいも ぜんぶあなただから
- マスク越しの涙電車の吊るし広告に人生を支配させない 価値観はわたしの財産 誇るべきも恥ずべきも マスク越しに泣いている私 山手線でどううつる
- 蜂とセブン朝部屋に 迷い込む蜂 混乱と 動揺よろめき 親指ほどの 存在と 人間としてのエンパワメント セブンのコーヒーカップで外に放つ 相方 あなたは誰より何より頼もしい
- ゆるがぬ身体忙しさにも悲しさにも食べ過ぎにも ゆるがぬような強靭ゴムのような身体と精神を欲す コオロギの鳴声数数え 風呂湯けむり 引きずる心重くも 美を見てしまうのは何故だろう
- 額に汗かきつつ記す夜間工事 騒音ありつつ 人が行う営み手仕事に 感謝しつつ 枕に頭を落とす 控えめな太陽と 久しぶりの高湿度 秋のドラマティックな風に 目のやり場に困る 1日の 生産性と意味合いを高めるため Twitterをひらく自分への […]
- マニキュアと浮腫欠け始めたネイルポリッシュ わたしの眠気と 祭りの後のくたびれと 今宵の満月 一瞬たりとも同じ表情を見せない 切り取りたいのに捉えられない 水彩絵具のにじみのよう 完璧な秋晴れ わたしの腫れた身体を曝け出すのは気がひける
- 買い物の変革あったらいいな なきゃこまる買い物も哲学であり 思想である 最近は 10年後も着れるか 90歳のわたしでも 着てるとこ想像できるか その視点で服を買う ファッションとは流行である でも 今の時の流れ それだけではない い […]
- 月と目があう涼しい球場と寒い試合それでもわたしはここにいる月もいるあまりにも 月が美しいものだから動いてる仕草をおいかけようと目をみはる 月はただ静寂にみえる 頑固な月に疲れて 飲み物をひとくち だしぬかれ 銀の棒超えるか月のほぼど […]
- 顔が足りない化粧箱ひっくり返して みるわたしの狂気 さみしさと あせりと 誤魔化すようなうっとりと 大切な順番がシャッフルされてる 意識の中の無意識が透けて見える 自分がかわいそうにこわい
- 大忠臣蔵大忠臣蔵を観ている 興味があるのは 自分の殿様のため 自分の命さえも投げ出す家臣がいて それは自分のアイデンティティを超えて まるで存在意義のように その忠誠心というのは なかなか想像がおよばない なぜ人はそうなれるのか […]
- 秋の夜長に会議後のほてったからだと 煮えた頭を 秋の夜風で冷やす ああ気持ちいい 台風の影響か 今宵は良く風がはいる 仕事でむしゃくしゃして 自暴自棄になりそうでも 私はこの家で 丁寧に生きるんだ ご近所ではっくしょん わたしもは […]
- 時間とわたしぐっと息をとめて 今日が 今週が 今月が 今年が終わるのを待っていると すぐに歳をとってしまうよ 外では季節がうららかに巡っているよ 光を追いかけて 腕と脚を投げ出して 風に乗って生きていても 歳をとってしまうよ どうせ […]
- 父を待つ犬父が東京に来ていた 過去数日用事で東京に滞在していた その分私たちは父とお酒を飲み楽しい時間を過ごせたのだが 問題は犬である 広島の犬である 父を何よりもの同士 いやマスターと考えているであろう犬が感じる寂しさは測り知れ […]
- 買い物とは相方が悩んでいる かねがね欲しかったカメラを買うタイミングが来ているらしい しかし調べれば調べるほど 欲しいもの 必要なもの あったら良いもの 用途 必要な品質 求める品質 市場の品質 沼にはまるらしい とても念入りにリ […]
- 週末はなぜ過ぎ去るのが早いのか待ちに待っても 心ゆくまで味わう前に 週末は過ぎ去ってゆく こんなに時間の流れがゆったりなのに 今日なんて昼寝もしたのに もう日曜日の夕方 1番憂鬱な時間 また早く会いたいよ 早く会いにきてね
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- 蝉つまみ出し今朝中央線に乗っていると 羽音が聞こえた あたりの人達みな周囲を見回した でもどこにその音の主がいるかわからない 私は読んでいた本にまた目を向けた そのとき 立っている私の前に座っていたおにいちゃんが 隣に座っているおに […]
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- 最近は頭皮スカルプマッサージにはまっている この蒸し蒸しもやもやした天気と世の中 頭皮にミントを使用したマッサージ/クレンジングを使用して 頭皮をマッサージしなきゃやってらんないぜ 頭までかちこちにこってるの 人間一枚の皮でつなが […]
- ピアノが弾きたいピアノを買うことを検討している 子供の頃に習っていて 高校ぐらいでやめてしまった 大人になっていまとてもピアノがやってみたい 私が子供の頃には候補にならなかった電子ピアノ 集合住宅暮らしにもやさしくボリュームコントロール […]
- 洗濯物の美学洗うはよし 干すはよし 洗濯が好きだ 天気予報をモニタリングし いつ洗濯をするのが最も効果的か 頻繁に 考えている そしてその行為が嫌いではない アメリカの出張者が移動中に聞いた 日本の人々は貧乏だから 乾燥機が買えない […]
- ちょうすけ今日はちょうすけの命日だ 3年前ちょうすけという愛のかたまり 愛の世界が わたしたち家族からすり抜けて その消えてしまった空虚がどうしようもなくつらく ただただちょうすけには わたしたち家族は 言葉にできないほど 愛して […]
- お父さんお誕生日おめでとう美大生だったころの父に会ってみたいと思う のっぽさん帽子に ベルボトムのパンツ 晴れの日に傘を差して歩いていた わたしが描く絵とは全く違うテイストだけれど 両者を知る人に言わせると わたしの絵に父のタッチを感じるらしい […]
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- なんにもしないことを全力でした日のび太の名言のひとつである 一生懸命のんびりする なかなかできることじゃないか 今日は二日酔いも手伝って 洗濯はしたものの それ以外はパジャマで 一日中ごろんごろん 二日酔いがなければ 疲れているはずなのに生産性をもとめ […]
- Head to toeぽわんとしている 全身がおもだるい 目を閉じてみると イグアナの滝が全身を駆け巡る つぶつぶが勢いよく 頭からつま先まで ひと方向に流れる 音はない 足の指につぶつぶを感じる 肩にも移動する 肩のあたりは特に重い こめか […]
- かわいいわたし何か今日わたし理由もなく美しいじゃん と思う日がたまにある 久しぶりに現場に向かった 久しぶりに人と顔を合わせて仕事をする 昨日の夜はお酒を飲まなかったし 生理もひとやま超えて むくみも落ち着いてきていたし 髪型も特別何 […]
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- Undercooled仕事でもやもやしていたかもしれない 生理も重なっていらいらしていたかもしれない その時流れたのは Ryuichi SakamotoのUndercooled 韓国語のラップなので 意味はわかりきらないのだけど そのメロディ […]
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- グレーという色調遅めの朝ごはんを食べていると相方が対岸にすわる うちは暗くてもなるべくライトをつけないので 姿がグレーにしっとりと浮かび上がる これほど美しいものはない 思わずiPhoneをたぐりよせ この一瞬を切り取ろうとする わたし […]
- 選択できるということ当たり前すぎて 見過ごしているけど 選択肢を持つということ 自分の意思で 責任で どの道を歩むか決められること どんなことを大切にして 何を人生で議論するのか 何を中心に置いて 時間をわざわざかけるのか そしてどんな道を […]
- 空水水が空から降ってくる 不思議なことだ 水が空から降り続ける しかも相当な勢いで 恐ろしいことだ もうそろそろ十分だろう 夜のやすらぎをください
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- 晩夏見つけてしまったちいさい秋を感じてしまった夏の終わりを 暑さの中にもどこか落ち着きがある入道雲も本気じゃない夏はもう成熟してしまった とんぼが5匹飛んでいたぐうんと空は青いけど もう少しだけ見てみないふりさせて
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- 風の音(うちは最低限の照明しかつけない 今も真っ暗な部屋でこれを記している) 見上げるとぶあつそうな雲が空を覆い 雷が光で存在をアピールし 光とは同期せず地響きのような音をさせる 車が行き交い ヒールを履いた人の足音がする 遠 […]
- おしり私の身体の中でどこが1番好きかって? 足と答えるようにしてるんだ決して細いわけじゃない形が好きなんだしっかりしたふくらはぎにきゅっとしたあしくび 80歳になってもミニスカートをはいてこの足をみせつけたいヴィヴィアン•ウエ […]
- それはそれは空が綺麗だから買って帰るか 今日は買って帰らないか 今電車に揺られ 熟考している 週末もたくさん飲んだじゃないか 最近プクプクしてるじゃないか 今日も頑張ったじゃないか 人間はだまされる 自分の脳にだまされる この高温多湿な天候 今日 […]
- 今日は日曜日らしいうちの枕は窓際にある朝日は昇るのが気が早い私も恩恵を得て早起きをする 身体をそりかえし逆さまに空を見るもくもく入道雲の白いくっきり大胆な線 プードルかなたてがみなびかせ駆ける馬かな弾かれるのを待つバイオリンかな こうも空 […]
- 工場と掃除尊敬する和菓子の社長は毎朝まず掃除から始めるという新しい働き方ニューノーマル言われて久しいがそれでも相容れないものがあると 窓のサンの埃床の黒ずみ消費者には全く見えない工場の汚れ それぞれのお店の売れ行きはゴミを見ればわ […]
- 国民の祝日世の中うんざりすることばかりで 吐き気がするような 落胆することばかりで いっそ世捨て人になりたいけど あの人が飛んだり跳ねたり あの人が笑って手を振ったり あの人が唄う声や あの人が作るごはんや 駐車場のおじさんの一言 […]
- 母の誕生日7月22日母の誕生日 私が世界でもっとも好きなひと この当たり前にある思考や 当たり前にある身体が 感情が 母がいなかったら存在しなかった 人と変わった格好をすることも 休日の日は家にいるよりも外に出たがることも 女性の […]
- ロブわかっていた今日はロブが部署の全体ミーティングを開催する最後の日通常の報告が終わった後ロブにバトンが渡された 彼は泣いていた オンラインミーティングで誰も何も発言しないサイレンスがあれば誰かがミュートにしたまま発言してい […]
- 観察柱に蜘蛛がいる2匹いる 1匹は全長1.5センチほどでがっちりした体格黒々として艶さえある 力強く進む意思を持って進む時折前にある足を口に持っていく仕草をしているなにか食べながら前を進んでいるかのようだ さっきから私と目が […]
- 夜中のトイレそれでもなお 夜中に目覚めトイレに行かなければならない できれば避けたい事象だ 何が嫌だって まず寝ぼけた頭で起き上がり トイレに向かう せっかくの継続した平和な眠りが 一時途絶える 電気をつける これで脳が覚醒してしま […]
- 夏の日の早い朝の朝夏の日の早起きが好きだ明らかにこの数日違う私の身体が違うって言ってる 週末にしては早起きのつもり6時半にかけたアラームより早く起き出す身体が起きるのって言ってる むしろもっと身体は早く起きてたって待ってたんだよって障子で […]
- 意味は必要ないのかもしれない梅雨明けの太陽が照りつけて庭の樹々のコントラストが激しい激しく美しい 一部は思う存分光をソークして見ていられないほど光る 一部はほっとするような日陰で自分のペースを保つように 一部はもっともっと欲しいとその手を伸ばす 風 […]
- 疲れのブロック好調に推移してきたので 自分にどれだけの疲労の塊があるのか 把握できないことがある 塊なので太刀打ちできない 歯がたたない じわじわと忍び寄り 襲いかかる時は早い 静かに そして早く捕まえる さまざまな器官に働きかける […]
- ぶらぶら、洗剤、漂白剤、柔軟剤とランドリーランドリー 今日はコインランドリー たまった洗濯物を放り込んだら 洗剤の入ってるカバンぶら下げて 30分の私の時間 ランドリーランドリー 今日はコインランドリー 1分だって無駄にしない お迎えに行く前の 30分 […]
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- 素敵な大人の女性たち人生の大切な場面で大切な年上の女性に出会ってきた 彼女たちは笑い 悩み 苦しみ 泣いた かわいらしく かしこく 人間くさく まじめに人生をあがく 私と同じ目線に立ち 私よりも広い視野で 手を差し伸べ ほどよい強さでひっぱ […]
- 洗濯機さんごめんなさい私は洗濯が好きだ 洗濯物を干すのが好きだ 取り込んでたたんで収めるのは普通 洗って干す その行為は実用以上の満足感をもたらす 今朝洗濯機さんが壊れた 最近異常に気づいて気づかぬふりをしていたのかもしれません スイッチの部 […]
- 断食という選択 最終日この断食の旅にノートを持っていった 使いかけの自分の思いついた感覚などを書き殴っているノート 去年から使っているふと今までのページをめくってみると 1年から数ヶ月若い私が 今と全く同じことを悩み苦しんでいる 私はいつまで […]
- 断食という選択 Day3午前中はまた落ち込んでいた 結局自分なんて同じ思考回路を辿るばかり 見つけたい答えなんてない 何を見つけたいかもわからない 私の鬱が顔を出す 青空の下に出よう 太陽浴びよう 90分ほど畑の周りを歩く 太陽が近づいている […]
- 断食という選択 Day2決して空腹という感覚があるわけではない 今朝は少ししんどかった 本日断食2日目 1日目は楽だった 朝目覚めると少し気分が悪い 吐き気とまではいかないけど 朝散歩やヨガをするつもりだったのだが無理をせず 朝のドリンク 生姜 […]
- 断食という選択 Day1東京駅から特急サフィール踊り子号に乗り伊豆高原へ やすらぎの里という療養プログラムを提供している施設に来ている 今日から3泊 断食プログラムを行う 自然の中にあるこの館 自然と目を閉じる 鳥がほうほけきょ 雨の音がしとし […]
- いつも人の顔色を見ていますねそう小学校の先生に注意された何かをグループでやるときに班のメンバーの顔ばかり見ていると自分の意見に集中しなさいと 私はそれから少しずつ変わって同じ班の藤井くんや加藤さんや他の人の意見だけではなくて自分を持つようになった […]
- ずいぶん大人になったけど、やっぱり関係って難しい気に食わないことは底なしにあるだろう 追求して整理したくなる 絶対の裁判官がいて その人の前で 悪いのは わたし?この人? みんなに問いかけたくなる 悪いのは わたし?この人? そんなこと意味ない 勝ち負けも 善悪なんて […]
- ホシ スジ イボ子供の頃は体に不思議がたくさんあった 爪には白い点がたくさんありそれはホシと呼ばれ幸運の印であるためその部分を切るときには願い事をつぶやいたたくさんの願い事が叶えられた 手の甲には直径1ミリのイボみたいなのがあっていつも […]
- 2人暮らしパート2相手の放つひとことに 10年以上だったこんにちも きちんときずつく きずついていますよ サインの出し方は20代のころといっしょ ひとつ屋根のしたゆえ 電話にでなかったり メールを返さないことでは サインにはならないだけで […]
- 2人暮らしもう10年以上一緒にいるすいもあまいも美しいも醜いも半径50センチの距離で共に見て 表情をよんで怯えて怒って苛立って わかってるようでわからないわかってもらってるようでわかってない距離が近づけば近づくほどわたしとあなたの […]
- マインドフルネスとはよく言ったもんで自分がおこなっている事に対して どれだけ集中できているか どれだけこころでとらえているか 食べていても食べていないし 身体は食べているけど 食べているのではなくて考えていたり お風呂に入っていても 身体は入っていても 明 […]
- ほんの少しだけ電車の中でうつらうつら なんで気持ち良いんだろう ああ ここで目を閉じてしまうと やばいのではないか でも吸い込まれる 次の駅で私は降りる まさか眠ったりしないだろう あの なんだろ 三角のイメージ 白いシャツを着ている […]
- Nude真夜中にふと目が覚めて 自分が何者かわからない時がある 女性で 東京に住んでいて 広島出身で 掛田智子という名前であること しばらくすると自分自身について思い出して いかに命というものが 時というものが 人生というものが […]
- 雨に付随する良いこと会議の嵐の1日が終わって外に飛び出した傘を持たずにわざと傘を持たずに 雨が心地よいどうか私を濡らしてくれどうか私を冷やしてくれ 手を広げる顔に水をひとつぶひとつぶ感じる化粧がおちるどんどんふれ 散歩している犬を見かける近 […]
- まちのコーヒー豆西荻の近所に愛すべきコーヒー豆のお店があるおじさん1人で切り盛りされていていつも忙しそうにちょこまかちょこまか動いていらっしゃる コーヒーを焙煎している時はあたり一帯に香ばしい香りがたちこめ熱を感じる店に入ってみると焙煎 […]
- 掛田智子、生理について語る私は生理を人生何度体験したのだろう小学校の頃、「生理」という言葉をパブリックで発することさえ禁じられていた風潮の中クラスの女の子と情報交換していたらあまり大きな声でその話題をお話してはダメですよ先生に注意されたなんでだろ […]
- 手を伸ばしても届かないけれども雨が降り始める時が好きだ予期せず始まるシネマのようにぽつ ぽつ ぽつ ぽっぽっぽっぽぽぽぽぽぽぽぽぽ 曇り空があたかももう待てない もう我慢できないしびれをきらして漏らし始める天から数えきれないしずくを落とす 人々はあわ […]
- 分かち合えない痛み やっぱりいっしょの時間他者の痛みはわからないでも想像はできる想像しかできない想像じゃ追いつかない想像するが大切想像なんてしてほしくない私の痛みわかったふりしないで私の痛みなんてわかるはずない私の痛みわかってよ少し想像してみてよ私が見てるものと […]
- 硬いアボカド先日大きなアボカドを2つ購入した アボカドやキウイの熟れ具合を見極める目利きだと自負している しかし昨夜ナイフを入れてみると硬い シャリっと感のあるまだ硬いアボカドだった アボカドとサーモンをわさび醤油であえて 丼物にし […]
- 風呂上がりアイス突然子供の頃に食べた銀紙に包まれたアイスが食べたくなったバニラ味があったかなパリパリチョコみたいなのもあったと記憶する今でもあるのかな銀紙に包まれているなんて四角くて長細くてお風呂上がりにおばあちゃんにもらったな美味しか […]
- 連日の深酒が寄与しているのか顔が乾く連日の深酒が寄与しているのか顔が乾く。世の中が少しゆがんで見えて、曇り空の隙間から光の粉が落ちてきて眩しい。私は目を細める。 私が昼間の眠気に身をまかせてぐねぐねしている間も、世の中は回り続け、チクタク時計が刻む。 大き […]
- 2021の#こんコロ2021年4月25日から5月11日まで、「こんなコロナのご時世ですが2 #こんコロ2」を連載します。 2020年春、緊急事態宣言発令を受け、mokumoku studioはこの未曾有な時間をアーティストとして記録に残すた […]
- 白い吊り革か 銀色の棒か電車の中のアナウンス。「急病のお客様を救護した関係で四谷駅には4分の遅れで到着です。お急ぎの中ご迷惑をお掛けし大変申し訳ありません。」青ざめた顔で倒れ込む人を想像する。隣の人がため息をつく。どうせ。 いや、ため息なんて聞 […]
- こんなに飽きっぽい私が続けている唯一の事朝食には納豆と目玉焼きとご飯を食べる。必ず食べる。いや、1年に1、2度ほどスキップするかもしれない。体調が悪かったり、前日にあまりにもヘビーな物を食べすぎて膨満感にあふれている場合。海外にいる場合。 それ以外は毎日納豆と […]
- 4と5は両想いで7はキザ野郎子供の頃は、いくつぐらいまでだろう、手のひらが自分のプレイグラウンドだった。 その得体の知れない物体を見つめ、始まったばかりの生命みたいな感覚と、自分という訳のわからない感覚と、そこにある身体とよばれる1部を恐れては、たまに忘れ、眺めてはぼうっと考えとは呼べない何か抽象的な物語を断片的に、その手のひらに投影していた。
- 赤い球団のこと彼らがもたらしているもの私はカープ ファンだ。 カープグッズなどを持っていると、やはり東京においては「カープ女子ですか?」と聞かれることが多い。その時は「いいえ、筋金入りのカープ ファンです」と答えるようにしている。 元々父が野球をしていて、もちろんカープ ファンであるということが大きい。 彼がもっと若かった時は気性が荒く、カープが負けると必ず機嫌が悪い。 子供ながらにカープの試合の結果を気にし、
- 懐かしくてきゅんとするなくなって立ちすくむ大好きで仕方なくて、無くなってしまった時にあまりのショックに事実を処理しきれず、その場に立ちすくんでしまった経験が、みなさんはあるだろうか。 私はある。 広島金座街にあったパフェのツチイ。パフェ専門店で、考えつくことのできるありとあらゆるパフェを楽しむことができた。チーズケーキがどんと乗っているもの。フルーツで埋め尽くされたもの。モンブラン。チョコレート。グラタンなど食事系も置いてあった。そこはまさに夢の国で、店頭のサンプルを見ているとわくわくして目移りする。
- 白い広い原っぱのほんの一点の黒これは白でしょと 言われても、少しだけグレーがかってるよな?て思えたり
- ランドセルの底でくしゃくしゃになってるプリントとかなぜだかわからないけどついてしまった嘘や 何か家族にとって大切なものを壊してしまった時や なくしてしまった傘や トゲトゲがついたボールがずっと心のなかにひそんでいて、たまに影を出しては暗くさせた 心配で世界が終わるかのように感じた そのトゲトゲボールが 長い時間をかけて形を変える小石のように だんだんまあるくなって 大丈夫だよ 世界は相変わらず回っているし、この部屋もとてもあたたかいって言っているようで。
- 本屋の神様本屋さんが好きだ昔から好きだ小さな本屋から大きな本屋まで大好きだ なぜだろう本屋に入って興奮してあれもこれも手に取ってみたいするとどうしてもトイレに行きたくなる 私の知的好奇心とその本屋さんの素晴らしきセレクションそして […]
- 海老フライ祭実家が満を持して年一度行う行事とも言える海老フライ祭。 親戚が送ってくれるブラックタイガーを、 迷いなく海老フライとして調理をする。 食べる。 出来立てを、食べる。 ぷりぷりの海老がたまらない。
- 母の強さと弱さそんな母も歳をとる。 目が見えづらくなる。 できなくなったことが増えた。 会うたびに小さくなる。 守っていた立場から、守られる存在になった。
- 私を興奮させるカレー日本の所謂ルーはなくても良い スパイスとトマトで煮込めば良い 白ワインと頂くのが良い
- 夢で、外出時は足に鈴をつけることになっていた夢で、良かったー
- ああ言えばこう言うこの関係は10年続いている どちらも折れない お互いにああ言ってこう言っているともともと 何についてもめているか失念することがある それは宇宙に弧を描くように脱線し 隕石を降り注ぐ
- 素晴らしい芸術作品て考えあぐねて絵の具をこねくりまわし何度も失敗しああでもないこうでもない こうしたら良くなるいいやダメだったこれはどうだろうやっぱり駄作だ そんなプロセスお構いなしに ぷってにわとりが卵を産み落とすみたいに 降って沸いたみ […]
- パイナップルが食べたいパイナップルが食べたい甘酸っぱいパイナップルが食べたいヨーグルトに入れて食べたい 適度に熟れたパイナップルが食べたい数日前からあんなに食べたいのに昨日なんて1度スーパーのカゴに入れたのに私はそのパイナップルを完熟パイナッ […]
- 走ることマラソン大会ではいつも歩いていた やる気というものは最初から皆無でなぜ学校の周りをぐるぐるただただ疲れるのに走る意義を全く見出せなく誰よりも遅くゴールをきることを目標にしていた 最近なぜか走ることがすき長距離は難しいけど […]
- オンライン苦 | 私とあなたの間のふわふわしたとてつもなくどでかい壁良いこともある。オンラインで会議ができるようになって、プロ野球選手のように出張を頻繁にしなければならなかった私にとって、身体的そして時間的な負荷がかなり軽減した。 良いこともある。いつでもどこでも参加できる。家にいながら […]
- 眠ること怖いとき心も身体もくたくたで 全身で早く眠りに落ちたいと思っているのになぜかすごく怖くなることがある眠りに落ちる、眠るという状態になってしまうことが突然怖くなるブラックアウト完全な闇 昨日それは起こった夕食後ソファでウトウトして […]
- 流行は時代遅れもうやり尽くした感がある 緑、グレー、オレンジ、ピンク、赤、紫、水色もやったっけ。 10代の後半から染め続けた髪は、ありとあらゆる色で彩られ続けた。アメリカに住んでいた頃は、インコみたいなオレンジにした。これは目立った。 […]
- 私はさか上がりと跳び箱ができないそして今は誇りを持っている体育の授業は苦痛だった。運動神経がそれはそれは悪い私は、何をやってもダメだった。ドッジボール、マット運動、徒競走。良い思い出が全くない。 さか上がりがどうしてもできなくて、母と放課後の学校の運動場で泣きながら特訓したのだ […]
- 昼寝はべつ腹私は昼寝が好きだ。もっと正確に言うと昼寝で得られる感覚が好きだ。 昼寝は夜のそれとは異質で、より現実の体験を引きずっているのか夢を見ても妙になまなましい。 科学的な事はわからないが、脳がまだ半分覚醒している状態で眠りに落 […]
- 漂流教室と今年の梅雨日本の一部では例年よりも随分早く梅雨入りしたそうだ。これから去年のような長雨が続くと思うと、世界で指折りの楽観主義者の私でさえも気が落ち込んでしまう。 最近ふと思い立ち、楳図かずお先生の名作「漂流教室」を読み返した。最後 […]
- 犬の耳の裏のにおい新聞の記事で「動物園のにおいがきついのでなんとかして欲しい」という苦情に対して、その動物園の園長さんがブログで「消臭剤や芳香スプレーにあふれる現代では、ネットで動物の画像を検索して楽しめば良いのかもしれない。でもにおいは […]
- 雨の日のイノベーション雨は嫌いではない。雨音を聞くのが好きだし、雨のにおいも好き。車が走り去る時の音も好き。 だけどどうしても雨の日はめんどくさい。荷物がひとつ増えるからだ。可愛い傘を広げればよい。だけど、雨という地球の歴史が始まってから変わ […]
- 年齢、ぐわんぐわん私もいよいよ、社会的な定義だと「いい歳」と呼ばれる年齢になったのだろう。大人がよく言う、歳のこと。 歳をとったから歳なのだから歳なのに。私は無関係だし、これからも関係なく生きる。身体の変化を感じる。 私の皮膚、血液、髪、 […]
- もやもやをもやもやのままにする勇気スーパーのお惣菜売り場をぐるぐるする。お腹がすいていて、今日は何も作りたくないとわかっている。他の店を探求する時間も体力もない。お惣菜売り場に並ぶ品物は美味しそうではあるが、どれもピンとこない。ぐるぐる何度まわっても品物 […]
- 今週は忙しい。(明日から働きたくない)なんだってどうだって。今週が終われば、来週だけは。これこれは私のキャリアにどうのこうのでコロナだのなんの。もう正しいタイミングなんて。 ビールは梅雨の時期こそどうの。オリンピックは今年は安全だとかどうの。あなたは私の感情 […]
- 広島名物 メロンパン – 坂の途中の緑の看板私はあまりパン食いではないのだが広島に帰省すると追い求めるパンがある 広島県呉市「メロンパン」看板商品のメロンパンはずっしり重く、甘いクッキー生地の中にメロン風味のクリームがたくさん詰まっているもったりずっしり感は他のメ […]
- グレイはグレイのままに以前も年齢に関して書いた。社会が定義する年齢層に適した行動や身だしなみ、私は誰かが決めた定規に影響されたくない。私は私が自分の身体を定義したいと思っている。 それは簡単なことではない。難関の一つはグレイヘアだ。20代の前 […]
- 鳥を想う鳥がよくやってくるおしゃべりな鳥隣の家の屋根の上のアンテナだかなんだかにとまるかわいい声でぴいひょらぴぴくくぴー カクカクしたそのアンテナだかなんだかから聞こえる声としてはとても自由で伸びやかで なにかを仲間に伝えようと […]
- 心を亡くすと予定をつめつめに頭もつめつめに予定から予定へ忙しくしていると 心がなんだかシンシンする置いてけぼりになってどこか居心地がわるい でもそんな心のきしみなんて置き去りでなんたって心を亡くしているのだから 予定から予定へ飛び移 […]
- 私はオリンピックに出たかった表面は熱くて手が触れられないのに中身は冷え切っているような なんの競技でもよかったオリンピックに出たかった 柔道かっこいいね日本の御家芸背負い投げで一本取りたいね日本のみんな感動してくれるね 野球もいいねプロ野球とは違う […]
- 曇り空は目が痛い太陽がギラギラしている時よりも厚い雲が空を覆っている時の方が眩しくて 雲から分散された光の粉がフワフワ舞い落ちて 私のまぶたを成分が突き刺す目の奥までずっと突き進む 酒を飲み浪費し自分を傷つけ隠し 欲求まみれで肉を喰らい […]
- 生理で不機嫌な日曜日理由が明確であるだけ良いだろう 悲しみ怒り苛立ちそんなネガティブな感情が生理というアンプを通して増大する私にコントロールはない 理由がわかっていても私の中のメデューサがメラメラとした冷たい炎を吐きただでさえ混沌とした感情 […]
- ショッピングの美学オンラインでのショッピングは便利でよく利用するが、やはり私は人から買うのが好きだ。古い人間かもしれない。だけど同じ商品を買うのであればその商品を好きだと言う人から買いたい。 その人が商品に情熱や思い入れがあれば尚更、私も […]
- 絵日記「こんコロ」延長宣言絵本とアート制作で生活していこうと、去年の4月1日付けで税務署にmokumoku studioとして屋号を申請した矢先。1回目の緊急事態宣言が発表されてあれやこれや。今は3回目の宣言真っ只中。この期間、昨年はドキュメンタ […]
- 鏡を見る時間が足りない10代の頃はいつまでもいつまでも鏡を見て過ごしていられた自分を魅力的だと思っていたし、さらに魅力的になるにはと鏡を覗き込んだ鏡を通して見ていたものは自分であり、同時に自分ではない何かだったのだろう 手鏡でなくてはならない […]
- 10代の終わりは沖縄で過ごした絵が描けなくなった初めて心が疲れている自覚自分でも自分にどうにか手当が必要だと感じた スーツケースひとつキャンバスと絵の具も 海に1人で行くのは初めてだったかもしれない波照間の海は見たことない色をしていた地球って丸かった […]
- 私のお葬式には薔薇色の装いでなぜなぜなぜそんなもんなんですそれが社会の成り立ちなのです忘れたくないんです違和感があるんです みんなスマホに目を落として電車の扉に吸い込まれて誰かが作った当たり前を生きる 上座におきゃくさま新装開店胡蝶蘭エスカレーター […]
- 大人になってごめんなさい子供の頃に感じていた存在や匂いや音や見ていた色や抱いた恐怖や いつのまにかおいてけぼりに何かにぬりかえられたかのように ときどき思う大人になってごめんおいてけぼりにしてごめん 誰に対してごめんなのかわからないけど今日はそ […]