風の谷から吹く風

最近ついに風を感じ、近所の素敵な本屋さんロカンタンさんで全巻購入。小脇に抱えて家路を急ぎ、最近大切に読んでいる。

読み急ぎたくなるのを必死にこらえ、丁寧に。宮崎さんは、当時1日1ページしか描けなかったという。文より圧倒的に絵で見せる、言葉に頼りすぎていたらロストしてしまう、甘える事が許されない、緊張感のある構成だと思う。

映画はどうだったかな、こうだったかな、とイメージに引っ張られない様、別物だと読み解く。やはり比べてしまうけど、アニメで見たよりも、においを感じるし、生物が生々しい。皮膚や触覚のテクスチャーや、液体の濃度や質感。カラッとしていてじっとり湿っている。登場人物がみな、マスクをしていてなんだか見慣れた風景だと感じる。

わたしが生まれた頃に作られた作品なのに、なんだこのrelevancy。まだまだ生き急いでるわたしの、ページを大切にめくる、不可欠な時間。

Tomoko from mokumoku studio

mokumoku studioが書籍で紹介されました!

中野ブロードウェイにある、 TACO chéさんに行ってまいりました。

目的はRyan Holmbergさん著 THE TRANSLATOR WITHOUT TALENT を購入するためです。

Ryanさんは以前もブログで書かせて頂いたのですが、漫画歴史研究者であり、漫画の翻訳者です。彼とはこんコロを連載していた際、Instagramで知り合いました。こんコロを気に入って頂き、#20でご本人に登場頂いております。

Ryanさんがこの度、研究内容をまとめた本を発表されました。それがTHE TRANSLATOR WITHOUT TALENTです。この本はつげ義春に代表されるような劇画やオルタナティブマンガの研究内容、翻訳者としての視点も書かれております。日本の社会問題にも言及されているらしく、かなり私の大好物。興味がくすぐられる内容になっております。

なんと!!その本の中に!mokumokuの作品を掲載頂いております!!

前述したこんコロのRyanさんの回です。

日本のサブカルチャーの礎を築いた作家さん達と同じ本に掲載されるとは!感無量でございます!!

日本の現在はアーティストが活躍しやすい社会とは程遠いですが、TACO chéさんのような市場に流通しない素晴らしい作品ばかりおいていらっしゃる店を訪問させて頂いたり、このような形でRyanさんの本でご紹介して頂けるなど、今まで頑張って良かった、これからも良い作品を作り続けよう、と思える経験でした。

マンガ作品が米国の由緒あるメディアで紹介される!

『The Comics Journal』に掲載されている、Ryan Holmbergさん執筆の「More Corona Cartoons, Japan」に紹介して頂きました!

Ryanさんとはmokumoku studioが#こんコロシリーズを連載していた時にInstagramで知り合いました。Ryanさんはマンガなどのアート歴史学者であり、翻訳家でいらっしゃる方で、こんコロにも出演して頂きました。コロナウイルス感染拡大をテーマにしたマンガのリサーチをされており、この度『The Comics Journal』にエッセイを掲載され、mokumoku studioの作品も紹介して頂いております!

Ryanさんと出会ったのは今より状況が不明確で家に完全に缶詰状態であった4月でした。世の中が音を立てて変化する中で、戸惑いながらもアートで未曾有な状況を表現しなくてはという思いで#こんコロを始めました。世界がどんどん狭くなっているような感覚がしていたと同時に、Ryanさんとのつながりは世界の広がりをもたらしてくれたような気がします。

掛田智子