もやもやした気持ちのまま、食べられない。
このモナカに向き合うには、気持ちがざわついていては、このモナカの本来の力に気づけないかもしれない。失礼に値するのではないかと思う。
大粒のあんこの入った、極上モナカ。
先日頂いた極上狭山茶と一緒に頂く。
おいしくないはずはない。間違いようのないコンビネーション。私はこれで幸せだ。幸せではないはずがない。
以前はこんな白い雲を見るだけで幸せになれた。
夏の終わりの生温い風に少しの秋を感じられるだけで幸せだった。
胸いっぱいに季節の空気を吸い込んで、自分を満たすことができた。少なくとも満たすことができると信じていた。
今は、何か見えないものを探している。探して見つからないものを探して苦しんでいる。
掛田智子