そろそろ冬眠

今年はmokumoku studio絵本の原画展開催を目標にしていましたが、コロ合いを見失い断念。商工会議所に出した補助金申請が受理されたにも関わらず活かせず残念でした。

一方で新たな経験ができる恵まれた一年でもありました。環境会議や平和事業のメインビジュアル制作、食育をテーマにした絵本、スポーツイベントの演出素材、YouTuberのチャンネルアートと関連グッズのイラスト、 書籍、WEB関連など、企業団体個人、多岐にお声がけいただき励まされ、仲間たちに助けられ、昨年からの定期案件と合わせ、実りある一年でした。

そのかわり、ゆっくりと空想して線を引くというのが疎かになった面があるので、それはまた来年の課題に。

本の内や外の人達に心動かされながら。

最近は光と影や、触覚にフォーカスを合わせて、いかにまぶたの裏にある記憶と結びつけてやるかというあたりで、絵と向かいあっています。言葉にしてもピンときませんね。依頼されている表情をテーマにした絵本も進めていきたいです。

小学3年生のときの夢が「画家」だったんですが、叶っていました。昨日きづきました。

まだ、通過地点。
来年は形になりますように。zzz.

ちから

原爆の日

広島に二十数年暮らした僕にとっては、戦争を思い出すと共に、平和を考える毎年やってくる夏の風物詩のような日です。
 
広島にいるときは原爆や平和をテーマに各種イベントを企画したり参加したりということがあったのですが、広島を離れてからはそういう機会がほぼなくなりました。
 
今年、広島県の「Cranes For Our Future」というキャンペーンのお手伝いをさせていただきました。このキャンペーンは簡単にいうと、折り鶴とメッセージに願いを込めて世界に届けるするというものです。mokumoku studioとしてロゴや折り紙をはじめ折り鶴キット日英版それぞれ制作しました。英語版はオバマ元米大統領やフランシスコ・ローマ教皇にも贈られるそうです。このキャンペーンのお話はKさんからいただきました。デザイン面ではAさんに相談させてもらったり、動画制作はOくんに協力してもらったりと、それが広島でアートイベントを一緒にやった仲間でもあったので、懐かしさと共に平和やヒロシマの歴史とも向き合う日々でした。
 
2013年に文化庁事業の一環でアートアーチひろしまというプロジェクトがありました。サテライト企画でアートと平和に関するパネルディスカッションにパネラーとして参加した時のことです。僕はアーティストという肩書きで、表現者目線で広島で活動することの意味や難しさを喋ったと思います。もう覚えている人はいないでしょう。僕はその時、「原爆がおちた町というイメージが強すぎて、この町で発表する作品は作者が意図せずそれに引っ張られてしまうことがある」みたいなことを言った気がします。世界から見たヒロシマのイメージというものもあります。
 
このプロジェクトの後、パートナーの掛田さんと3ヶ月ほどアメリカに行きました。もちろん戦争の語られ方も違います。それから広島から引っ越し離れて実感したのですが、同じ8月6日でも温度感が違う。広島にいる時は夏になると原爆、平和ということでテレビ新聞が賑わっていたのが、東京で普通に生活していてほとんど情報は入らなくなる。
 
広島に住んでいるときは「平和」という言葉が煩わしく感じることもあったのですが、なくなってみると少し寂しい。身勝手なものです。単に逆張りがしたいわけでもありません。なんでしょう、この気持ちは。
 
ずっと続いていく。あるいはそう信じたいもの。終戦76年、語り継がれてきたことそれ自体が価値なんだと気づきます。広島の町にはもはや土着的なものとしてそういう営みが根付いているのかもしれません。行政が予算をかけて町づくりだったり、発信してきた力はあるものの、それだけがその営みが続いてきた理由ではない。僕の知り合いにはボランティアでイベントをしたり、被爆者証言をサポートしたりといった人たちがいます。
 
今年の8月6日は、折り鶴をながめ広島をいつもより少し近くに感じながら、絵描きとしてのこれからの営みをぼんやり思い浮かべています。

今日も洗濯物が乾かない

絵日記#こんコロ5月22日「今日も洗濯物が乾かない」
絵日記#こんコロ5月22日「今日も洗濯物が乾かない」
絵日記#こんコロ5月22日「今日も洗濯物が乾かない」

朝目覚めて、空を見上げる。

ああ、今日も洗濯物が乾かない。

いや、天気予報がどれだけ雨と叫ぼうともどんより雲が空を覆ってても
決めたんだ。私は今日洗濯すると。
決心は揺るがない。

お風呂上がりにふわっとしたタオルに顔をうずめたい。
私欲野望に溢れたこの世で、ささやかな望みじゃないか。それには太陽さんの力が必要なんだ。

私は洗濯が好き。
気持ちがさっぱり「やった感」があるからだ。
洗うが易し。干すが易し。
乾くのが、こんなに大変だとは。

少しだけ、おひさまがさしてくれた。
ほんの5分だけ。
私は確信した。今日は乾く。

コーヒーを飲んだら、おや。
ちょっと空気がひんやりしてない。
これはあれがくる兆候じゃない。
あれ、この音は。

テーブルに座ると、あなたの頭にふきんがのっかる。

きっと明日は洗濯日和。