連日の深酒が寄与しているのか顔が乾く

絵日記2021年4月25日/文=掛田智子/絵=ちから
絵日記2021年4月25日/文=掛田智子/絵=ちから

連日の深酒が寄与しているのか顔が乾く。
世の中が少しゆがんで見えて、曇り空の隙間から光の粉が落ちてきて眩しい。私は目を細める。

私が昼間の眠気に身をまかせてぐねぐねしている間も、世の中は回り続け、チクタク時計が刻む。

大きな船に乗っていて、どこからともなくやってきて、どこかに消えていく。どこから来たのか、どこに行くのか誰も追及しない。そのぽっかりとした空間に何かがまた注ぎ込まれ、いつのまにか埋まっていく。

世の中が騒ぎ続けている。決められた枠の中の、ざわめきのためのざわめき。さー大変だ。ああ大変。

私は無駄についてしまった贅肉と、最近コミュニケーションがうまくとれず怒りっぽいパートナーの事が一大事。

夕暮れのゆうぐれ

夕暮れをテーマに日替わりのモチーフで連想ゲームのように描いた。

はじめはグァっとするオレンジ色を背景に怪獣たちがいて、空を見てる内に、グラデーションが気になりだして、なんとかかんとか卵や不思議まで。

夕暮れのゆっくりと移ろう影に温度を感じる。

ちから

風の谷から吹く風

最近ついに風を感じ、近所の素敵な本屋さんロカンタンさんで全巻購入。小脇に抱えて家路を急ぎ、最近大切に読んでいる。

読み急ぎたくなるのを必死にこらえ、丁寧に。宮崎さんは、当時1日1ページしか描けなかったという。文より圧倒的に絵で見せる、言葉に頼りすぎていたらロストしてしまう、甘える事が許されない、緊張感のある構成だと思う。

映画はどうだったかな、こうだったかな、とイメージに引っ張られない様、別物だと読み解く。やはり比べてしまうけど、アニメで見たよりも、においを感じるし、生物が生々しい。皮膚や触覚のテクスチャーや、液体の濃度や質感。カラッとしていてじっとり湿っている。登場人物がみな、マスクをしていてなんだか見慣れた風景だと感じる。

わたしが生まれた頃に作られた作品なのに、なんだこのrelevancy。まだまだ生き急いでるわたしの、ページを大切にめくる、不可欠な時間。

Tomoko from mokumoku studio