世の中うんざりすることばかりで
吐き気がするような
落胆することばかりで
いっそ世捨て人になりたいけど

あの人が飛んだり跳ねたり
あの人が笑って手を振ったり
あの人が唄う声や
あの人が作るごはんや

駐車場のおじさんの一言や
スーパーのレジの人との何でもない会話や

あなたと飲むコーヒーの味で

私は生かされてると
感情がザーザー降ってきて
今夜は心が昂って　泣いている

7月22日
母の誕生日
私が世界でもっとも好きなひと

この当たり前にある思考や
当たり前にある身体が　感情が
母がいなかったら存在しなかった

人と変わった格好をすることも
休日の日は家にいるよりも外に出たがることも
女性の当たり前の権利を訴えることも
電話では声が大きくなることも

すべて母から得ている

電話をしようとして電話を握ったら母から電話がかかってくることなんて数えきれず
鏡を見るたびに母に似てくる自分を喜ぶ

きっと私も母も知らない共通項がまだまだある

いなかったら私がいなかったひと
私が世界でもっとも好きなひと

夏生まれの美しい女性の誕生日

わかっていた
今日はロブが部署の全体ミーティングを開催する最後の日
通常の報告が終わった後
ロブにバトンが渡された

彼は泣いていた

オンラインミーティングで
誰も何も発言しない
サイレンスがあれば
誰かがミュートにしたまま発言していたり
テクニカルな問題が発生したのかと思うのだけど

今日はみな知っていた
ロブが泣いていると知っていた
その静寂をみなが受け入れた

通訳をしていた私も静かに泣いた
ロブの感情が私を憑依したかのように
自然と涙が溢れた

私はロブを知らない実際会ったことがない
でもその時私とロブは一体化した

みんなありがとう
泣いていた
私も泣いていた